VR30DDTTとはどのようなエンジンなのか

皆様はVR30DDTTというエンジンをご存知でしょうか?

VR30DDTTとは日産自動車が製造するV型6気筒ツインターボエンジンです。

VQ37VHRエンジンのダウンサイズエンジンで、5ℓV8エンジンに匹敵する性能を有します。

そんな高性能なVR30DDTTとはどのようなエンジンなのか?

今回はVR30DDTTのエンジンを紹介します。

VR30DDTTの生産は2016年から始まり、日産自動車いわき工場にて生産されています。

VR30DDTTは日産のVRエンジンファミリーのひとつで、他にGT-R(R35)に搭載されているVR38DETTやインフィニティQX80に搭載されてるVR35DDTTがあります。

VR30DDTTは排気量2997cc V型6気筒DOHC24バルブで2基の小径ターボで過給されます。

一般的にタービンは、大径にすると高出力、小径にするとレスポンスに優れますが、VR30DDTTはターボ回転センサーによる監視によって、タービンの限界域まで使いきれるので、レスポンスの良さと高出力化の両立を実現しています。

最大出力は304馬力と400馬力と420馬力とあり、6400rpmで発生します。420馬力仕様はnismoによるチューニングによって実現しています。

最大トルクは40.8kgf・m〜56.1kgf・mを発生させ、おおよそ1600rpm〜5200rpmの範囲で発生します。

7000rpmでレッドゾーンになりますが、6900rpm付近でレブリミットの介入を感じます。

VR30DDTTの意味として、30は排気量、DはDOHC、もうひとつのDは直噴、TTはツインターボという意味があります。

バンク角は60°となっています。

エンジンオイルは0W30でe-Powerと同じエンジンオイルです。

余談ですが、元々フェアレディZに搭載される予定がありませんでしたが、エンジン開発者がフェアレディZにも搭載できるような設計にしたという逸話があります。

日産フェアレディZ RZ34試乗記

VR30DDTTのスペック表になります。

エンジン形式VR30DDTT
排気量2997cc
エンジン形状V型6気筒DOHC
過給機ツインターボ
内径・行径86.0mm×86.0mm
圧縮比10.3
使用燃料無鉛プレミアム
オイルフィラーキャップサイズM32×P3.5
最大出力304ps@6400rpm
405ps@6400rpm
420ps@6400rpm
最大トルク40.8kgf・m@1600rpm〜5200rpm
48.4kgf・m@1600rpm〜5200rpm
48.4kgf・m@1600rpm〜5600rpm
53.0kgf・m@2000rpm〜5200rpm
56.1kgf・m@2800rpm〜4400rpm

VR30DDTT搭載車両は以下の車種です。

  • 日産スカイライン(V37)
  • 日産フェアレディZ(RZ34)
  • インフィニティQ50
  • インフィニティQ60

VR30DDTTエンジンは低回転域から最大トルクが発生するので、低回転巡行からでも楽に加速して交通の流れに乗ることができます。

アクセルを踏み込むと、ほんの少しのラグの後に爆発的な加速を披露してくれます。

最大出力は6400rpm、最大トルクの発生は5000rpm半ばで頭打ちとなり、高回転まで回す必要がないので、組み合わされるトランスミッションのギア比は高めになります。

なので、高回転までエンジンを回す楽しみは、そこまでありません。

ターボエンジンなので同じV型6気筒のVQエンジンと比較すると音質が劣勢に感じます。(音質と高回転までエンジンを回す楽しみはVQの特にHR系エンジンの方が優れます。)

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