皆様はフィアット バルケッタというクルマをご存知でしょうか?
バルケッタとは1995年から2007年にかけて生産・販売されていた2シーターのオープンカーです。
バルケッタは左ハンドルのみ、5速マニュアルトランスミッションのみという、かなり割り切った車種ですが、本国仕様と同じなので、現地の薫りがします。
ちなみに、バルケッタとはイタリア語で「小舟」という意味です。
そんなフィアット バルケッタに先日、試乗してきました。
今回は、フィアットバルケッタの紹介と試乗してみた私の感想を紹介していきます。
外観
まずは外観です。
モダンで流れるような形がスタイリッシュでカッコいいですね。
1度マイナーチェンジがあり、こちらの車両は前期型の車両になります。
オレンジのボディーカラーが鮮やかで目を引きますね。(写真撮ってる時に何人かに声かけられました)
車両サイズは全長3920mm 全幅1640mm 全高1265mmとコンパクトで5ナンバー規格になります。
少しだけですがMAZDA MX-5(ロードスター)に雰囲気が似ている気がします。
サイドからです。
横から見ると流線型が一層、スタイリッシュに見えます。
バルケッタの意味通り、まさしく道路を走る小舟の如くです。
リアです。
テールランプは四角く、やや小さめです。
デフューザーが独特でカッコいいですね。
ナンバー横の赤い部分も発光します。
給油口は右側にあります。もちろんハイオク仕様です。
内装
次に内装です。
20年以上前のクルマになるので、さすがに古さを感じます。
装備や機能は最低限で非常にシンプルな内装です。
シートポジションはシートを一番前にしても身長160cmの私がクラッチを奥まで踏むのに一苦労です。
私が短足なだけかもしれませんが(汗)
視点が低いのも特徴です。出ている速度より速く感じます。ゴーカートに近い感覚です。
エアコンはマニュアル式です。温度調整のバリエーションが少なかったです。
収納はグローブボックスとセンターコンソールにボックスがあります。
ドリンクホルダーがありませんでした。
エンジンサウンドもうるさくなく、回転数をあげると心地よいサウンドが聞こえてきます。
時々、車内に入ってくる排気ガスの香りが気分を上げてくれます。
オープンカーの開放感は特別感があり、走っていて風を感じられます。ラジオからJUDY AND MARYのOverDriveが流れた時は思わず空を見上げました。(走る雲の影を飛び越えるわ夏のにおい追いかけて〜。)
トランクを開けてみました。
コンパクトな2シーターオープンにしては広めでしょうか。(2シーターオープンのトランクの広さの相場がわかりませんが)
2人で2泊3日の旅行分の荷物は余裕ですが、ゴルフバッグは少々厳しそうです。
エンジン
エンジンは横置きの1747ccの直列4気筒DOHCの自然吸気です。
駆動方式はFF(フロントエンジン、フロントドライブ)です。
公称値のスペックは最高速度が200km/h 0-100kmの加速は8.9秒です。
最大出力は130ps@6300rpm トルクは16,7kgf・m@4600rpmで一見、普通のスペックです。
しかし、エンジンの吹き上がりはさすが、スポーツカーだと感じさせられるほど気持ちいいです。
運転感覚
ステアリングは国産車と比較して重いです。
何よりクラッチが非常に重いです。翌日、筋肉痛になったのはここだけの話ですが。(汗)
クラッチの踏んだ感じはアバルト595やルノーメガーヌに似ています。国産車には無い踏み心地です。
シフトフィールは渋く時々、思うように入らない事があります。しかし、1速は比較的スムーズに入ってくれます。
走行性能
基本性能はわりと普通で、大パワーはありませんが車両重量が1090kgと軽いため、走る、曲がる、止まるといった走行性能は同等クラスのクルマと比較して高めです。
ガツンとした加速ははありませんがエンジンの回転数が上がるほどパワーが上がる自然吸気エンジンのフィーリングが味わえます。また、車両が軽い為、キビキビと走ってくれます。
何より、速さを求めるクルマではなく、コーナリング性能や公道で使い切れるパワーでエンジンをぶん回すのが気持ち良いクルマです。(200hpを超えると公道ではエンジンパワーを使い切れませんね。)
足回りが硬く、段差ではガンッと衝撃がきます。オープンカーなので、あちこち軋む音がします。
YouTubeに動画をアップしてありますので、よろしければご覧ください。
まとめ
2シーターで装備も最低限で雨漏れや警告灯が点灯したりと何かと不便です。クラッチが重く、シフトフィールも渋く運転が大変です。
しかし、イタリアのオープンカーは非日常の世界に入ることができ、道路という名の広大な海を小舟で走っている気分になれる、そんな1台です。