「輸入車の象徴と言えば左ハンドル」は今や昔、最近では街で見かける輸入車の大半は右ハンドルですね。
クルマの製造技術の向上やマーケット戦略により、ハンドル位置に関係なくクルマを製造するようになりました。(左ハンドル設計のクルマではペダルのオフセットや使い勝手の悪さはありますが。)
今では正規販売されている左ハンドルの輸入車の大半が高額なハイエンドモデルに限られています。
あのポルシェでさえも基本的に右ハンドルしか選択できません。
2021年時点で普及帯価格で購入できる正規輸入の左ハンドル車はアバルト595くらいでしょうか?
左側通行の日本では右ハンドルの方が便利で安全なので右ハンドルの輸入車が増えるのは自然の成り行きです。
しかし、右ハンドルの輸入車が増えると左ハンドルのクルマに乗る機会が、ほとんどありませんね。
左ハンドルのクルマの運転は難しいのか?疑問に思う方もいるかと思います。
今回は、左ハンドルのクルマの運転について紹介します。
まず、左ハンドルによるメリットとデメリットを紹介していきます。
左ハンドルによるメリット
- クルマを左に寄せやすい
運転席から近い左側が見えやすいです。狭い道で対向車とのすれ違いも左端ギリギリまで寄せることができます。
また、左折時に左側の歩行者や二輪車の確認がしやすいです。
- 路上駐車時に歩道側から降りられる
路上駐車時に左側の歩道側からクルマを降りることができるので安全です。しかし、助手席が右側の車道側になるので同乗者に配慮する必要があります。また、左端に寄せすぎるとクルマから降りられなくなります。
左ハンドルによるデメリット
- 料金所や駐車場での支払いが不便
高速道路の料金所は今やETCの普及で関係ないと思われがちですが、高速道路以外の有料道路も多く存在し、その多くはETCが使用できません。また、駐車場の精算機も高級ホテルを除けば、右側にしか設置されていません。最近ではカメラでナンバープレートを読み取ってくれるチケットレスの駐車場もありますが、普及率はかなり低いです。
- ドライブスルーが不便
日本のドライブスルーは右ハンドル車が利用しやすいように設計されています。なので左ハンドルではスピーカーから距離が離れるので注文が聞き取りにくく、料金の支払いや商品の受け取りなど身を乗り出す必要があります。助手席に同乗者がいれば問題ありませんね。
- 右折時に対向車線が見えにくい
左ハンドルの場合、対向車線から離れるので対向車線が見えにくくなります。片側3車線以上の道路では対向車の速度も速く、交通量も多いため、右折信号が出るまで待ったほうが安全です。また、正面にバスやトラックなどの大型車が右折待ちしていると、ほとんど対向車線が見えません。
- 追い越し時に対向車線が見えにくい
路上駐車しているクルマや待避場所がないバス停に停車するバスを追い越す時、対向車線がかなり見づらいです。クルマをギリギリまで右に寄せて、体を右に傾けて対向車を確認し、ゆっくりと追い越しましょう。右のサイドミラーに前方を映すカメラがあると便利ですね。
バスの場合、かなり大きく対向車線が見えづらいので、どうしても見えない場合は、バスの発車を待ちましょう。また、前方を走るクルマが遅いからといって無理に追い越す必要はありません。
左ハンドル車の運転のコツ
シフトノブが右側にあったり、ルームミラーは斜め右上を見るなど、右ハンドル時と反転していることがあるので注意が必要です。(アクセルは右、ブレーキは左なのはハンドル位置に関係なく統一されています。)
また、一部の右ハンドル車を除き、輸入車はウィンカーレバーが左にあります。
細かな注意点は右左折時のハンドルを切るタイミングや直線走行時のクルマの位置です。
着座位置が左であるという意識は必要ですが、基本的には右ハンドル車と運転の仕方に変わりありません。
もし、左ハンドル車を運転する機会があり、不安であれば、右手をを横に伸ばして細い通路を歩いてみてください。ちょっとした左ハンドル車の運転の体験ができます。(左手を横に伸ばせば右ハンドル車の運転感覚が分かります。)
左ハンドル車は1時間ほど運転すれば自然と慣れてきます。
慣れれば、ハンドル位置を特に気にする必要はありませんが、追い越しや右折時に少し気を使うくらいです。
左ハンドル車で普段と違った運転フィーリングを味わってみてはいかがでしょうか?