今まで、当ブログでは何台かクルマを紹介してきましたが、筆者の私が所有する日産フェアレディz z34の紹介をしていないことに最近、気がつきました。
z34オーナーなのに試乗記というと変な感じがしますが、試乗したつもりで日産フェアレディz z34は、どのようなクルマなのか私の感想と共に紹介していきます。
今回、紹介するこちらのz34は2018年式の後期型、バージョンS、ボディカラーはダークメタルグレーとなっています。
注意
今回、紹介する z34はノーマル車両ではありません。カスタムの詳しい内容はこちらをご覧ください。
日産フェアレディz z34とは
そもそも、日産フェアレディZ z34とは?
z34は先代のz33のフルモデルチェンジとして2008年に発売され、2012年と2017年に2度、マイナーチェンジがありました。2021年11月現在では既に新車での販売は終了しています。
3.7ℓの自然吸気V型6気筒エンジン(VQ37VHR)をフロントに搭載したFRの2シータースポーツカーです。
トランスミッションはジヤトコ製7速オートマチックトランスミッションと愛知機械工業製6速マニュアルトランスミッションがあります。マニュアルトランスミッションにはシンクロレブコントロールというオートブリッピング機能があり、市販車としては世界で初めて搭載されました。
グレードはベースグレード、走りのバージョンS、快適装備のバージョンT、バージョンSとバージョンTの両方の装備が付いたバージョンSTとあります。バージョンSはマニュアルトランスミッションのみ、バージョンTはオートマチックトランスミッションのみで他のグレードでは選択可能です。ニスモを除き、グレード間でエンジンスペックに差はありません。
また、クーペ以外にソフトトップのロードスターもあり、40th,50thアニバーサリーやニスモと言った特別仕様も存在します。
国内ではFAIRLADYZの名前ですが、海外では370Zとなっています。370というのは排気量に由来します。
z34の車両スペックは以下の通りとなっています。
販売時期 | 2008年〜2021年 |
型式 | CBA-Z34 |
エンジン | VQ37VHR |
排気量 | 3696cc |
馬力 | 336ps@7000rpm |
トルク | 37.2kgf・m@5200rpm |
過給機 | 自然吸気 |
0-100km/h | 5.1秒 |
最高速度 | 250km/h |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
燃料タンク | 72ℓ |
JC08モード燃費 | 9.1km/ℓ |
トランスミッション | 7AT/6MT |
駆動方式 | FR |
タイヤサイズ 18インチ | フロント225 50R18 リア245 45R18 |
タイヤサイズ 19インチ | フロント245/40R19 リア275/35R19(ニスモは285) |
乗車定員 | 2名 |
ハンドル位置 | 右 |
全長×全幅×全高 | 4260×1845×1315mm |
車両重量 | 1500kg |
最小回転半径 | 5.0m |
価格 | 397万9800円〜 |
では、ここからが試乗レビューです。
外観
外観です。第一印象はとにかくカッコいいです。
ロングノーズで丸みを帯びたデザインとなっています。
比較的コンパクトながらも存在感があり、日本車離れしたデザインです。
ただ、全幅が1845mmあるので狭い道や狭い駐車場では気を使います。
横から見るとロングノーズであることが一層分かりやすいですね。
スッキリとしていて流線形状がとても美しいクルマです。
全長は短く、ホイールベースも短めです。
給油口は右側にあります。
なんと言ってもリアフェンダーの膨らみがz34の最大の特徴です。
リアの膨らみがあることで迫力が増しています。ここから更にオーバーフェンダーで膨らみをかさ増しする猛者もいます。
余談ですが、ナンバープレート下の少し出っ張っている部分は雨が降るとすぐに汚れます。リアハッチの内側の隙間にも雨水が溜まりやすいです。
リアのスポイラーは純正オプションとなっています。
ちなみに、こちらが後期型の19インチ純正ホイールと純正ブレーキです。
18インチホイールのメーカーは無名の鋳造、19インチのホイールは鍛造のレイズ製、ブレーキはフロント4ポット、リア2ポットの曙製です。
ホイールのシルバーの部分はダイヤモンドカットになっています。リアはフロントより奥行きのあるデザインとなっています。
19インチのタイヤはブリジストンPOTENZA RE050Aが純正装着されています。
ベースグレード、バージョンTのホイールは18インチでブレーキは型押しキャリパーになります。
曙キャリパーのカラーは前期型がブラック、後期型がレッドになります。
ホイールロックナットはオプションで約1万円でした。
内装
初登場が2008年なので古さを感じさせますね。ただ、アナログな感じが好きな方にはピッタリです。
古いながらも、必要な機能は搭載されており、特段に不便さはありません。
運転アシストや緊急ブレーキ機能は付いていませんが、それらの機能が邪魔だと感じている方にはうってつけです。
最新のクルマのカーナビと比較すると小さく感じますが、z34にはちょうど良いサイズです。
エアコンの設定温度はカーナビの画面に表示されます。
メーターです。写真はニスモ仕様ですが、非ニスモの日本仕様では180km/hスケールメーターとなっています。
センターにタコメーターがあり、走りにこだわったスポーツカーであることを改めて認識させられます。
左の液晶は気温、航続距離などが表示できますが、1種類しか表示できない為、やや不便さを感じます。
3連メーターです。左から順に、時刻、電圧、油温となっています。
「これ、純正なんだ!」とよく驚かれるくらい存在感があります。
時計は12時間表示のみで、今ひとつ不必要な気がします。
運転席、助手席のサンバイザーにはミラーが付いており、ライトも点灯します。スポーツカーなのに、ちょっとした気遣いがあるクルマですね。(ライトはあまり明るくありませんが。)
ペダルはアクセルペダルのみオルガン式となっています。
操作性もよく、ヒールアンドトゥーもしやすいです。
右ハンドル特有のオフセットも気になりません。
クラッチの重さも相応で軽過ぎず、重過ぎずと言った具合です。
ビルトインETCは後期型ではベースグレードを除き純正で装着されますが、セットアップ料は別でとられました。フロアマットも純正オプションです。
ドアのスイッチ類と収納です。
操作性は他のクルマと特に変わりありません。
先代のz33ではウィンドウスイッチ周辺が塗装剥げがよくありますが、z34では特に気になりません。
取手の部分と下は繋がっています。
ドリンクホルダーには500mlのペットボトルが入ります。この横の収納は重宝します。
収納です。
センターコンソールにはシガーソケットやUSBなどが付いています。
運転席後ろのみ収納があります。ここにB-CASカードの挿入口があります。
グローブボックスには鍵が付いていています。私は車検証をグローブボックスに入れています。
カーナビが無い仕様だとカーナビを埋め込む部分も収納になります。
トランクは広いですが、タイヤのある部分が塞がり、いびつな形になっています。
底も浅いですが、ゴルフバッグは余裕で入ります。工夫は必要ですが、タイヤは助手席を使えばギリギリ4本は積めます。
トランクの下には牽引フックやパンク修理キットが搭載されています。スペアタイヤはありません。
真ん中の2つの長方形の空間は用途不明です。
バージョンT、バージョンSTにはBOSEのスピーカーが搭載されます。
エンジン
エンジンはVQ37VHRが搭載されています。
z34ニスモに搭載されているVQ37VHRは市販車のV型6気筒自然吸気エンジンの中では最大の出力を有します。(355ps)
排気量は3696ccの自然吸気で336馬力を有します。
高回転まで気持ち良く回り、サウンドも甲高い良い音を奏でます。
トルクもあり、アメ車のような感覚がします。
ただ、本当に排気量が3.7ℓあるのか?と思うくらいパワーが低く感じます。シャーシダイナモ上での実馬力は275ps〜285psくらいと言われています。
仕様燃料はハイオクで実燃費は街乗りで約7.5km/ℓぐらいです。高速道路では12km/ℓを達成させることもできました。高速走路では意外と燃費が良いクルマです。
運転してみて
シート位置は低めですが、前方の視認性が良く、運転しやすいです。しかし、斜め後ろの視界は悪くかなり見えづらいです。後方視界も決していいとは言えません。
シート位置も調整幅が大きく、様々な体格の人に対応しています。シートのホールド性は小柄な体格だと隙間が生じます。クッション性は印象に残らない硬さです。(座り心地が特に良いわけでもありませんが、悪くもありません)8時間連続運転も苦になりませんでした。
z34はGTカー(グランドツーリング)の要素が大きく、長距離を快適に移動できるスポーツカーです。
アクセルレスポンスは非常に良く、素早く反応してくれます。ブレーキの効きもよく、街乗りでもカックンとなりません。
ステアリングも非常に素直で意のままにコーナーを曲がることができます。FRなのでコーナリングが楽しいクルマです。
ただ、重量があるので、軽快感はありません。
z34の加速は遅くはありませんが、特別速いわけでもありません。必要最低限のパワーを備えているといった感じです。
まとめ
z34はロングノーズでカッコよく、エンジンが高回転まで回るコーナリングが楽しいGTカーです。
しかし、環境規制により大排気量自然吸気エンジンのスポーツカーは消えゆく運命です。
次期フェアレディZは3ℓ V6ツインターボとなりますね。
なので自然吸気エンジンの特にマニュアルトランスミッション車は特に貴重な存在となります。
今が自然吸気エンジンのスポーツカーを楽しめる最後の時代かもしれません。
ぜひ、z34の自然吸気エンジンとFRのフィーリングを堪能してみてはいかがでしょうか。