冬は雪景色が綺麗でスキーや温泉、鍋料理が一段と楽しめる季節ですね。
だが、冬のレジャーや普段の生活でも避けて通れないのが雪道です。
日本は北日本や日本海側で雪が多く、太平洋側でも年に数回の積雪があります。
また、日本の雪道は世界的に見ても厳しい環境と言われています。
積雪や凍結した道路は乾いた道路や濡れた道路とは事情が異なります。
初めて雪道を走る方や過去に雪道で事故を起こされた方は不安かと思います。
雪の日は極力、クルマに乗りたくありませんね。しかし、仕事や用事があったりとクルマに乗る必要があるかと思います。
なので今回は雪道を安全に走れる運転方法を紹介していきます。
雪道はなぜ滑るのか?
なぜ、雪道は滑るのか?それは雪や氷の上にある水分が被膜となり、摩擦係数が下がるからです。
気温が低い時の積もりたての新雪は比較的滑りにくいですが気温が0℃を上回る時は雪や氷が溶けて一層、滑りやすい状態となります。
身近な例えを出しますと、冷凍庫から氷を取り出します。取り出してすぐの状態では滑りにくいですが、時間が経つにつれて氷が溶け出すと滑りやすくなりますね。
気温が0℃前後を上下する積雪の多い地域では特に厳しい環境と言えます。(0℃を上回らない場所の方が比較的滑りにくいです。)
また、雪道で有利な駆動方式は4WDと言われていますが4WDが優位なのは発進時と上り坂です。平地での雪上走行性能やブレーキの制動距離は駆動方式による差は、ほとんどありません。
準備
雪道を走行する上で最も大切なのがスタッドレスタイヤです。
夏タイヤでは雪道をまともに走行することができません。どんなに高価でハイスペックなスポーツタイヤでも雪上では無力と化します。
スタッドレスタイヤの寿命は3年〜5年と言われています。古くなったスタッドレスタイヤでは雪上で十分に性能を発揮することが出来ませんので早めに交換しましょう。
また、雪道を走行する際、いざという時に役に立つ積載しておくと良いものを一部紹介します。
タイヤチェーン | 積雪が多い場所やチェーン規制時に使用します。 |
手袋 | チェーン脱着や除雪時に使用します。 |
スコップ | 除雪用に使用します。 |
毛布 | 暖をとる、スタック時に使用します。 |
牽引ロープ | スタックした時に脱出するのに使用します。 |
水・非常食 | 立ち往生した際に使用します。 |
凍結しやすい場所
雪が溶けて積雪が無くても気温が低い時は路面が凍結している場合があります。
特に凍結しやすいポイントは以下の場所になっています。
- 橋の上、高架上
- 交差点付近
- トンネルの出入口付近
- 日陰
特に気をつけたい路面状況
雪道で特に気をつけたい路面状況はアイスバーンです。アイスバーン上では一段と慎重な操作が求められます。
アイスバーンとは路面の水分が凍結した状態です。雨や溶けた雪が凍結すると発生します。
中でも、ブラックアイスバーンはアスファルトが露出しているように見える為、凍っていないと勘違いしやすく、事故が多発します。
圧雪アイスバーン | クルマが走行して押し固められた状態です。 |
ミラーアイスバーン | 路面が鏡のように反射した状態です。 |
ブラックアイスバーン | 薄い氷で覆われ、アスファルトが見えている状態です。 |
急の付く動作
雪上では急の付く動作は厳禁です。急の付く動作とは急発進、急ハンドル、急ブレーキです。雪上で急の付く動作をするとクルマが思わぬ挙動を起こします。なので、ペダルやハンドル操作はいつも以上にゆっくりと操作する必要があります。
速度
雪上では急に止まることが出来ません。また、コーナリング性能も下がり思うように曲がることが出来ません。なので雨の日以上に速度を落として走行しましょう。
では、具体的に何km/hで走行すれば良いのか?
それは路面状況によって異なるので一概に何km/hとは言えません。
普段、積雪の少ないエリアでは30km/hで流れる事もあれば、積雪が多いエリアの高速道路では80km/hで走行することもあります。
車間距離
雪道では摩擦係数が少なくタイヤのグリップが効きにくい為、制動距離が伸びます。
雪上では最大で制動距離が8倍になると言われています。なので車間距離は雨の日以上にとるように心がけましょう。
いくら高性能ブレーキを搭載していても雪上では関係ありません。ブレーキの性能はタイヤに依存します。
エンジンブレーキ
雪上ではエンジンブレーキを使用すると安全に減速させることが出来ます。
エンジンブレーキとはエンジンの回転による減速方法です。
アクセルを離すだけで基本的にはエンジンブレーキが発生しますが、もっと強くエンジンブレーキをかけたい場合はギアを低くします。
オートマチックトランスミッション車の場合、Sレンジ、Lレンジ(Bレンジ)へギアを入れます。MTモード付きやパドルシフトがある場合はマイナスシフトでギアを下げます。
雪道を走る前はしっかりと準備をして事故の無い快適な冬のドライブにしましょう。