マニュアルトランスミッションの運転方法とは?

自動車情報

皆様はマニュアルトランスミッションのクルマを運転できますか?

マニュアルトランスミッション(MT)とはクラッチとギアチェンジを自身で操作する必要のある変速機です。一方でクラッチ操作とギアチェンジをクルマが自動で行ってくれるミッションをオートマチックトランスミッション(AT)といいます。

かつて、街を走る多くのクルマがMTでした。ATが普及することによって自身でクラッチやギア操作するのが面倒と思う方が多くなりました。しかし2000年代前半までのATは段数が少なく変速タイミングも悪かったので、燃費が悪く、思うような走りができませんでした。現在では無段階変速機(CVT)や10速ATなどの多段ATが搭載されることにより燃費が向上し、高性能なATは人間が操作するMTでは真似できない早い変速が可能となりました。よって現代ではMT車に乗るメリットはなく、運転を愉しみたい方向けのニッチなトランスミッションとなっています。

そんなMT車を運転したいと思う場合、AT限定ではない普通自動車運転免許証があれば運転は可能ですが、AT車しか乗っておらず、MT車に不慣れで怖いと思われている方も多くいるかと思います。

なので今回は、マニュアルトランスミッションの運転方法を紹介します。

エンジン始動

まず、ギアがニュートラルに入っているか確認します。ニュートラル確認はシフトノブを左右に振るとマニュアル車に乗り慣れてるオーラを醸し出すことができます。

左足でクラッチペダルと右足でブレーキペダルを踏みながらキーを回すかボタンを押してエンジンを始動させます。

最近のMT車はクラッチを踏まないとエンジンが始動しません。(2000年代の輸入車はクラッチを踏まなくてもエンジンが始動する車種が多いです。)

エンジン始動後にクラッチペダルとブレーキペダルから足を外し楽にします。

発進

クラッチペダルとブレーキペダルを踏みながらギアを1速に入れます。

サイドブレーキを解除します。(以降はサイドブレーキの解除をする必要はありません。)

ブレーキペダルを踏んでいる右足をアクセルペダルへ移動させます。

アクセルペダルをゆっくりと踏みながら同時にクラッチペダルをゆっくりと離していきます。

ちなみに、少しだけクルマを動かしたい時は、アクセルペダル踏まず、クラッチペダルだけを離して発進させることができます。(この場合、エンストしやすいので、より慎重なクラッチペダルの操作が求められます。)

坂道発進

基本的な発進方法は同じですが、発進する直前にクルマが少し後方に下がります。少し下がることを前提に覚えておけば、怖がる必要はありません。

また、エンストする可能性が高くなるので、アクセルペダルを強めに踏むか、クラッチペダルの離す速度をゆっくりにしましょう。

エンストしづらく、後方に下がらない確実に発進できるサイドブレーキを使った方法がありますので紹介します。

クラッチペダルとブレーキペダルを踏みながらギアを1速に入れます。

サイドブレーキを強くかけます。(効きが弱いと車両が後方に下がっていきます。)

ブレーキペダルを踏んでいる右足をアクセルペダルへ移動させます。

アクセルペダルをゆっくりと踏みながら同時にクラッチペダルをゆっくりと離していきます。

今にもクルマが発進しそうになる状態になると車両のフロント(ボンネット)が少し浮き上がります。このタイミングでサイドブレーキを解除します。

引き続き、アクセルペダルをゆっくりと踏みながら同時にクラッチペダルをゆっくりと離していきます。

走行

速度が上がるにつれて、ギアを上げる(シフトアップ)必要があります。

まず、クラッチペダルを踏み、アクセルペダルを離します。

ギアを1速から2速へ入れます。

クラッチペダルを離し、アクセルペダルを踏み加速していきます。

1速から2速へシフトチェンジは早めに行うことでシフトショックを減らすことができます。

〇〇km/hの時に何速のギアに入れたらいいのか?と疑問を抱くかと思いますが、車種や走行環境によって異なります。おおよその目安として2000rpm前後を維持して走行していきます。3000rpmを超える場合は変速することを推奨します。(ギアは高い方が燃費向上し、エンジン音や振動が静かになります。)

シフトアップとは逆にシフトダウンの方法です。

クラッチペダルを踏み、アクセルペダルを離します。

ギアを3速から2速に入れます。と同時にアクセルペダルを踏んでエンジンの回転数を上げます。(ブリッピングといいます。)どのくらいエンジンの回転数を上げるかと申しますと、車種や速度によって異なるので一概には申し上げられませんが、1段ギアを下げるにつきおおよそ+1000rpmが目安です。

クラッチペダルを丁寧に離します。

シフトダウンは無理に行う必要はありません。また、1000rpm程度の低回転時にはアクセルペダルを踏んでエンジンの回転数を上げる必要がほぼありません。

また、ブレーキペダルを踏み、減速しながらクラッチペダルを踏み、3速から2速にギアを入れると同時にブレーキペダルを踏んでいる右足の踵でアクセルペダルを踏み、エンジンの回転数を上げ、クラッチペダルを離すという「ヒールアンドトゥ」というテクニックもあります。(もっと必要ありませんが。)

停止

ブレーキを踏み、1500rpm程度になったタイミングでクラッチペダルを踏み完全停車させます。

ギアをニュートラルにして、クラッチペダルを外し楽にします。

緊急時の急ブレーキの際はクラッチペダルを踏むのを諦めましょう。(衝突しなければエンストするだけで済みます。)

駐車

駐車させたい位置にクルマを停めたらクラッチペダルとブレーキペダルを踏みます。

駐車する場所が、平地・下り坂の場合はギアをリバース「R」に入れます。上り坂の場合1速に入れます。

サイドブレーキを引きます。

キーを回すか、ボタンを押してエンジンを切ります。

クラッチペダルを離し、ブレーキペダルを離します。

エンストしたら

もし、発進に失敗してエンスト(エンジンストールといい、エンジンが停止することです。)しても慌てずにクラッチペダルとブレーキペダルを踏み、エンジンを再始動させます。そして、再び発進させます。

後ろのクルマに迷惑をかけるとか、プレッシャーをかけられるといったことは忘れて、発進させることに集中しましょう。

要約すると、発進はクラッチペダルを離しながら同時にアクセルペダルを踏みます。変速はアクセルペダルを離してクラッチペダルを踏みギアを変えてクラッチペダル離し、アクセルペダルを踏みます。

上記の方法を実践すれば、あなたもマニュアルトランスミッション車を運転できます!

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