私は先日、7代目となる新型ホンダ シビックタイプR(FL5型)に試乗してきました。
ホンダ シビックタイプRがとのようなクルマなのか私の感想と共に紹介していきます。
ホンダ シビックタイプRとは
ホンダ シビックタイプRは、本田技研工業が製造・販売するスポーツカーです。
タイプRとは、ホンダのスポーツグレードに用いられる名称で、通常より高性能なエンジン、サスペンション、ブレーキが搭載されており、走行性能重視のため、乗り心地や快適性が犠牲にされています。タイプRのエンジンは超高回転型の自然吸気エンジンが採用されていましたが、FK2型のシビックタイプRよりターボエンジンが採用されています。タイプRには全車マニュアルトランスミッションの設定しかなく、オートマチックトランスミッションはありません。
NSXタイプR、インテグラタイプRに続き1997年に初代シビックタイプRが発売されました。(アコードタイプRは欧州仕様にのみ設定がありました。)
シビックタイプRは世代によってボディ形状が異なり、2ドアハッチバックと4ドアセダンがあります。
2022年9月2日に7代目となるFL5型のシビックタイプRが発売されました。
3代目〜6代目のシビックタイプRは英国で生産されていましたが、工場が閉鎖されたため、今回のシビックタイプRは日本の埼玉県で生産されています。
現在では、シビックにのみタイプRのラインナップがあります。
こちらが今回、試乗したシビックタイプR(FL5型)のスペックになります。
販売時期 | 2022年9月2日〜 |
型式 | 6AB-FL5 |
エンジン | K20C |
排気量 | 1995cc |
馬力 | 330ps@6500rpm |
トルク | 42.8kgf・m@2600rpm〜4000rpm |
過給器 | ターボ |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
燃料タンク | 47ℓ |
燃費(WLTCモード) | 12.5km/ℓ |
トランスミッション | 6速マニュアルトランスミッション |
駆動方式 | FF |
タイヤサイズ | 265/30R19 |
乗車定員 | 4名 |
ハンドル位置 | 右 |
全長×全幅×全高 | 4595mm×1890mm×1405mm |
車両重量 | 1430kg |
最小回転半 | 5.9m |
価格 | 499万7300円 |
外観
フロントです。
先代のシビックタイプRより、かなりスッキリとしたシンプルなデザインとなっています。(むしろ先代が派手すぎた)シンプルながらも、フロントリップやサイドステップなどの戦闘力の高そうなエアロパーツが顔を出しています。
遠方から見ると、ぱっと見、普通のセダンに見えましたが、(アコードと並んで展示されていると尚更)近づくにつれて、強烈なタイプRのオーラを感じられます。
私がホンダディーラーへ試乗に訪れた際、店内には多くのお客さんがいましたが、誰一人としてシビックタイプRに興味を示していなかったのが意外でした。NBOXやフリード、新旧ヴェゼルをお乗りの方にシビックタイプRは響かないのか、マニュアルトランスミッションが苦手なのか定かではありませんが。
リアです。
リアも同じく、スッキリとしたシンプルなデザインですが、大きなスポイラーが特徴です。
フロントフェンダーには空気の通り道があり、走りへの本気度が垣間見えます。
先代同様のセンター3本出しマフラーもインパクト抜群です。
全幅が1890mmあり、かなり大きいので狭い道のすれ違いや駐車場では少し手間取ります。
後で気づきましたが、リアワイパーも装着されています。(正直なところ、私だったら邪魔なので外したいと思います。)
ちなみに給油口は左側です。
タイヤとホイールとブレーキです。
タイヤはミシュラン パイロットスポーツ4Sが装着されています。こちらのパイロットスポーツ4Sはミシュランと共同開発されたシビックタイプR専用品です。サイズは265/30R19
シンプルなマットブラックのホイールは、どんなカラーのシビックタイプRに似合うカッコいいデザインです。ホイールサイズは先代より1インチダウンされた19インチです。
フロントブレーキはブレンボ製の対向ピストンブレーキが装着されています。ブレーキキャリパーとホイールにクリアランスがあるのでホイールを18インチにインチダウンしても良さそうですね。
内装
前席です。
シートとフロアマットのレッドが鮮やかで目を引きます。
ダッシュボード周りはシンプルでスッキリとしています。カーナビは大きく、ダッシュボードの上に乗せたような配置です。(これがイヤだと感じる方も多くいるみたいですね。)
エアコンは物理スイッチで操作性が良く、吹き出し口は目立ちにくいハニカム構造のデザインとなっています。
タイプRのシリアルナンバーのバッチが特別感を演出し所有欲を満たしてくれます。
日常使いにも考慮されており、ドリンクホルダーや小物入れ、USBポートも設置されており、非常に使いやすい配置となっています。
シートはセミバケットシートで、かなり高いホールド性があります。グローバル向けのクルマの場合、小柄な私が座ると隙間が生じ、ホールド性が低くなりがちですが、このシビックタイプRのシートはコーナリング時のGでも姿勢を保つことができます。(ニスモのセミバケットシートは私が座った際に隙間があり、ホールド性が低いです。)
シート位置も広範囲で調整でき、様々な体格の方でもシートポジションが合わせやすいです。
シフトノブです。
握りやすく操作性も抜群です。
アルミシフトノブなので、夏の日差しを受けた後は熱すぎて持てそうにありませんね。
後部座席です。
後部座席の広さは、ごく一般的な3ナンバーセダンと同等程度の広さです。座り心地も良く、後部座先でも快適に長距離ドライブへ出掛けられます。
シビックタイプRは乗車定員が4名のため、真ん中に人が乗ることはできません。
赤いシートベルトが目立って見えますね。
トランクです。
深さもあり広々としています。4人で2泊3日の旅行も行けるほどの積載性があります。
トランクの下のツマミを持ち上げてみましたが、何もありませんでした。
運転してみて
運転席に座り込み、クラッチを踏みます。クラッチは軽く、踏んだ感じはバネ感があり、ルノー メガーヌやアバルト 595の軽い版といった具合です。
エンジンスタートスイッチを押し、エンジンをかけます。純正マフラーは静かで、心地よいアイドリングサウンドが聞こえてきます。
ギアを入れる時に重厚感があり、スムーズにギアが1速に入りました。
発進します。クラッチミートもスムーズでギクシャクすることなくクラッチが繋がります。走り出すと思ったよりフツーのクルマです。足回りの硬さを感じることはなく、30扁平タイヤにも関わらず、ゴツゴツした感じもありません。
だが、Rモードに切り替えると豹変し、サスペンションは硬くなり、サウンドも攻撃的になります。けれど、段差や道路の繋ぎ目を超えた際の嫌な突き上げ感はありません。よく動くアシでコーナリング時も踏ん張り、ロールすることもありません。
加速はもちろん一級品で、街中ではとても性能を発揮できません。ターボラグもあまり感じることもありません。
何より、隣の車線を走っていたパナメーラからの視線が熱かったです。
ホンダ シビックタイプRは走りが楽しい、ホンダの本気度が伝わるスポーツカーです。この内容で500万円ならバーゲンプライスに感じます。
日常的に使用することを想定されているので、乗りづらさや不便さはありませんので、毎日乗って楽しい、そんな1台です。