私は先日、ミニ クーパーS(R53)に試乗しました。
ミニクーパーS(R53)がどのようなクルマなのか私の感想と共に紹介します。
ミニ クーパーSとは
ミニ クーパーSとはBMWが開発・製造するミニブランドの乗用車です。
1994年にBMWがローバーを傘下に収めましたが、その後、経営悪化によりローバーを手放し、ミニブランドを残し開発を進めました。
BMW Japanが32でミニと発音することから3月2日をミニの日とし、2001年3月2日にBMWとして初のミニを発売しました。
BMWとなったミニはブリティッシュモーターコーポレーション時代のミニより大きくなりましたが、遠くからでも一目でミニだと分かるデザインとなっています。
BMW以前のブリティッシュモーターコーポレーション時代のミニは「クラシックミニ」「ローバーミニ」と呼ばれています。そして2022年現在ではBMWとなってから3世代目のミニが販売されています。
イギリス生まれのミニはBMWになってからもミニの伝統が守られる方針から大半の車種がイギリスで生産されています。なのでドイツメーカーのクルマでありながら英国国旗のユニオンジャックのデザインが多くのミニで施されています。
ミニ クーパーSの「S」とはスポーツモデルを指し、通常のミニより運動性能が高い高性能なモデルです。
今回試乗した第1世代のミニ クーパーS、通称R53はスーパーチャージャーが搭載された非常に珍しいエンジンを搭載したミニとなっています。
こちらが今回、試乗したミニ クーパーS(R53)のスペックです。
販売時期 | 2001年〜2006年 |
型式 | GH-RE16 |
排気量 | 1598cc |
馬力 | 170ps@6000rpm |
トルク | 22.4kgf・m@4000rpm |
過給器 | スーパーチャージャー |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
燃料タンク | 50ℓ |
燃費 | 12km/ℓ |
トランスミッション | 6速マニュアルトランスミッション |
駆動方式 | FF |
タイヤサイズ | 195/55R16 205/45R17(オプションホイール) |
乗車定員 | 4名 |
ハンドル位置 | 右 |
全長×全幅×全高 | 3655mm×1690mm×1455mm |
車両重量 | 1180kg |
最小回転半径 | 5.1m |
価格 | 282万4500円 |
外観
フロントです。
BMWとなってから初めて発売されたミニです。不思議なことに一目でミニだと分かるデザインです。ローバー時代のミニは軽自動車程の大きさでしたが、BMWのミニは5ナンバーの小型車サイズになりました。ちなみに3世代目のミニは3ナンバーサイズとなり大きくなっています。
車両サイズは全長3655mm×全幅1690mm×全高1455mmとコンパクトな為、日本の狭い道路や駐車場に適しています。
鮮やかな青色に白色の組み合わせがおしゃれですが、性能とは裏腹に見た目は可愛いクルマです。
横からです。
車体の端ギリギリにタイヤが付いているように見えるので、ホイールベースの長さが際立ちます。なので全長3655mmと短いですが、最小回転半径が5.1mと見た目に反して小回りが利きません。
後部座席側のガラスの面積も広く、4ドアも造れそうな大きさです。
ホイールは純正オプションの17インチアルミホイール。タイヤサイズは205/45R17。
給油口は左側です。
リアです。
センター2本出しマフラーとリアスポイラーが、このクルマの戦闘力の高さを物語っています。
後から見てもミニと分かるデザインです。
内装
前席です。
最初に目が引くのは、センターのスピードメーターです。ローバー時代からの伝統ですが、見づらいと不評です。ただ、ハンドルの奥にあるタコメーターにデジタルで速度が表示されます。
センターのスピードメータによってカーナビを設置することができません。
スイッチ類は全て物理ボタンです。特にシフトノブ上のパワーウィンドウやフォグランプのスイッチは高級感があります。
収納に乏しく、ドリンクホルダーに500mlのペットボトルが入りません。
ペダルはアルミで高級感があり、アクセルペダルはオルガン式です。
シートは至って普通です。座り心地や硬さなど不自然さはありません。
後部座席はやや狭いですが、問題なく乗れます。ただ、長時間の乗車には適していません。
トランクです。
狭いですね。後部座席を倒すことが前提になりそうです。
トランクの下にバッテリーが搭載されています。スペアタイヤはありません。
エンジン
エンジンルームです。
エンジンは1598cc横置きの直列4気筒SOHC16バルブにスーパーチャージャーが搭載されています。
馬力170ps@6000rpm トルク22.4kgf・m@4000rpmとなっています。
先にも後にも出ないであろう珍しいスーパーチャージャー搭載のミニです。2代目以降のミニ クーパーSにはターボが搭載されていますので、このR53のミニ クーパーSは独特のエンジンフィーリングを体感できます。
ボンネットを持ち上げるとヘッドライトまで持ち上がる形状をしています。
運転してみて
ドアを開けて運転席に座り込みます。車格に反してドアは厚く重厚感があります。
シートの位置を調整しますが、思ったよりシートが前に出ません。シートを1番前に出しても身長160cmの私が丁度クラッチを奥まで踏み切れる程です。なので、身長160cm未満だと運転しずらい可能性があります。(要は私の足の長さ短いということです。汗)
クラッチは非常に重く、奥まで踏まないとシフトの入りが渋くなります。
シフトの入りはやや渋めですが、ストローク量はいたって普通のクルマといった感じです。リバースギアはニュートラル部から左へ押し込み、奥に押し込むとRギアに入ります。バックして切り返す際に1速に入れたはずがリバースギアに入っていたことがあります。
ガラスが広いので視界がとても良いです。特に、Aピラーとサイドミラーの間に隙間があるので右折時に歩行者等の確認がしやすいです。
1.6ℓエンジンのスーパーチャージャーによる加速は約1.2tの軽さと相まって、かなり速く、特に3000rpmを超えた辺りから突然、加速が強くなります。
ブレーキの効きは十分で、ブレーキペダルを踏んだ際に違和感はありません。
ステアリングはかなり重いです。ハンドリングは遊びがほとんどなく、切った分だけ曲がります。いわゆるゴーカートフィーリングです。非常にクセがあります。普通を嫌うクセが強いクルマをお求めの方には打ってつけです。
サスペンションの硬さはやや硬めですが、段差を超えた際のイヤな突き上げ感はありません。コーナリング時にロールすることがない程よい硬さです。
走行中の車内はかなりうるさいです。快適性には欠けています。
運転が楽しいクルマですが、クラッチが重く、ステアリングも重く、ステアリング操作にクセがあるので疲れます。
まとめ
YouTubeに動画をアップしましたので、よろしければご覧ください。
ミニ クーパーS(R53)はBMWとなって最初のミニでオシャレで可愛い見た目とは裏腹に珍しいスーパーチャージャー搭載で速い加速とゴーカートフィーリングを持ったクルマです。