2024年1月29日月曜日にトヨタ自動車が認証申請手続き用に豊田自動織機に委託した自動車用のディーゼルエンジン3機種の出力試験で不正があったことが判明しました。
内容としては、出力試験時に量産用とは異なるソフトを使ったECUを用いてエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告する行為が行われていました。
これにより対象のディーゼルエンジンを搭載するハイエース、ハイラックス、ランドクルーザーなどといった人気車種の出荷が停止となりました。(ハイエースと同ラインで生産されるアルファードとヴェルファイアも生産停止)
出荷停止によって完成車工場は非稼働となりサプライヤーや販売店など大きな影響が生じています。
以前より、日野自動車のエンジン認証不正や記憶に新しいダイハツの認証申請不正などトヨタグループ内で不正が発生していました。
そもそも、なぜこのような事態が相次ぐのか?と疑問を抱く方もいるかともいます。
なので今回は、私なりに不正が起きる原因を考えたいと思います。
今回の豊田自動織機の不正とダイハツの不正との共通点が社員が不正を行ったことです。
では、なぜ、会社上層部ではなく社員が不正を行うのか?
それは、サラリーマンの宿命とも言える、「顧客や上層部には意見が言えない」からでしょうか。
顧客が出来高や期日など無理な要求を求めてきても、請け負っている会社は契約を切られたくないので、笑顔でその無理な要求を呑むしかありません。
契約を請け負った会社の上層部は社員にその無理な要求を押し付けます。
社員であるサラリーマンは「ノー」と言えば降格や減給といった処分が待っています。それを分かった上で、その要求は無理だと会社上層部に相談してもまともに相手にして貰えません。
仕方なく無理な要求を受け入れますが、期日までに目標を達成できる見込みがなく、減給や降格処分、詰問をされたくないと追い込まれた社員が誰にも相談できずに不正に手を染めてしまうのではないでしょうか。
取引先だけに上っ面だけ良い顔している会社上層部は自社の社員を守るどころか、社員から敵視されてしまいます。ですが、敵視されようがお構いなく、現場を下に見ることが多いため、現場サイドの発言権がなく、基本的に一方通行で、立派な本社の卓上で決められたルールを現場に押し付けられます。(カネを生むのは現場であることを忘れてはいけません。)
海外にはお金をばら撒いて国民には増税し、多くの人が望んでいないインボイス制度といったルールを敷く日本政府と日本国民に類似している気がします。
不正を起こさない為には、コミュニケーションが大切だと豊田章男会長も発言していましたが、萎縮して言いたいことが言えないのが現状です。フラットな関係で言いたいことが言える環境を整えるのが大切ではないでしょうか?
ディーゼルエンジンを搭載する車種の出荷停止が2月9日まで延長されることが確定しました。しばらくは豊田自動織機によるディーゼルエンジンの不正の余波が続きそうです。